一次止血と二次止血(+溶解について)

専門用語解説

血管が障害されると血液の流出を防ぐために直ちに止血機構が働く。

 

そんな「止血」は『一次止血(血小板による止血)』と『二次止血(血液凝固によって行われる止血)』に分けられる。

 

目次

閉じる

第一止血

 

一次止血(血小板による止血)の機序は以下の通り。

 

血管障害⇒血管収縮⇒血流減少⇒血小板粘着⇒セロトニン・ADP放出⇒血小板凝集。

 

 

第二止血

 

「第二止血(血液凝固による止血)」の機序は以下の通り。

 

流出した血液⇒流動性消失⇒ゼリー状の塊(血餅)⇒血餅の退縮⇒血餅から血清の滲出

 

血餅とは:

血管外に流出した血液は5-10分以内に流動性を失い、ゼリー状の塊を「血餅」と呼ぶ。

 

血清とは:

血餅はやがて退縮して硬くなり、透明な淡黄色の液が固まりの外に滲出してくる。これを「血清(血清は血漿成分からフィブリノゲンなどの凝固因子を除いたもの)」という。

 

第1相

血液凝固因子・血小板因子・Ca2+が作用して第Ⅹ因子が活性化される。

 

第2相

活性した第Ⅹ因子はCa2+と共に、プロトロンビンをトロンビンに変える。

 

第3相

トロンビンはCa2+存在と共に、フィブリノーゲンをフィブリンに変える。

 

フィブリンの線維網に血球を捕え血液凝固する、ビタミンK不足は血液凝固障害を起こす。

 

 

補足:線維性溶解について

 

血管が完全に修復されるとフィブリンがプラスミンの作用で分解され、凝固血液が除去される(血管の閉塞や血栓の予防)。

 

※抗凝固因子としてはヘパリン・プラスミン・アンチトロンビンⅢなどが挙げられる。

関連記事