酸塩基平衡は以下の式で表される。
ブドウ糖などの栄養素を代謝してエネルギーを取り出すと、二酸化炭素ができる。
二酸化炭素が水に溶けると、重炭酸イオンと水素イオンが発生するため、体液のpHが下がり、酸性に傾く。
そのため人体には、それを調節する機能が備わっている。
体液をアルカリ性に維持する仕組み
体液のphが下がり過ぎないための仕組みとして以下の3つが存在する。
- 血液による緩衝作用
- 呼吸による二酸化炭素排出
- 腎臓で水素イオン(酸)を排出
血液による『緩衝作用』
急激に血液のpHが下がった際に、血液中の物質と結合させ、水素イオンを減らし、影響を最小限にする。
水素イオンと重炭酸イオンが結合し、炭酸になる。
結果、水素イオンが減り、phの低下が緩和される。
呼吸による二酸化炭素排出
呼吸を早くしては胃からの二酸化炭素の排出量を増やす。
血中の二酸化炭素量が減り、二酸化炭素が水に溶けて生じる水素イオンも減りpHが上がる。
腎臓で水素イオン(酸)を排出
腎臓で尿を作るときに水素イオンの排出量を増やす。
体液のpHは維持され、尿は酸性になる。
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最後に、呼吸性・代謝性のアシドーシス・アルカローシスの例を記載しておく。
- 呼吸性アシドーシス(例⇒呼吸器障害により二酸化炭素排出量低下)
- 呼吸性アルカローシス(例⇒過換気呼吸により過剰に二酸化炭素を排出)
- 代謝性アシドーシス(例⇒腎障害により水素イオンの排泄不良)
- 代謝性アルカローシス(例⇒嘔吐により胃酸排出⇒アルカリ性に傾く)
以下の記事では、もう少し具体例を記載しつつ、アシドーシス・アルカローシスについて解説している。
合わせて観覧すると、酸塩基平衡の理解が深まると思う。