異常歩行の原因と特徴の一覧は以下になる。
名称 | 原因 | 特徴 | |
疼痛性跛行(逃避性跛行) | 下肢の疼痛(変形性股関節症) | 痛みがある下肢の接地時間を短くする。 | |
間欠性跛行 |
1)バージャー病・閉塞性動脈硬化症 2)腰部脊柱管狭窄症 |
歩行を持続すると、疼痛により歩行が困難になるが、休むと再び歩行可能となる。 | |
トレンデレンブルグ歩行 |
1)先天性股関節脱臼 2)中殿筋麻痺 ・・など。 |
患側下肢で起立すると健側骨盤が下降する。 | |
片麻痺歩行(痙性歩行・分回し歩行) | 片麻痺(脳卒中後遺症・上位運動ニューロン障害) | 麻痺下肢を外転しながら円弧を描き歩く。 | |
失調性歩行 | 1)小脳性(酩酊性歩行) | 小脳疾患(小脳変性症など) | 体幹動揺がひどく、ジグザグに歩く。 |
2)脊髄性(踵打ち歩行) | 脊髄癆(脊髄後索障害) | 歩幅が大きく、踵を地面にたたきつけ歩く。 | |
3)前庭性(酩酊性歩行) | メニエール病(前庭系障害) | 平衡障害が強く、酔っ払いのように歩く。 | |
麻痺性歩行(鶏歩) | 総腓骨神経麻痺(下位運動ニューロン障害) | 足を高く上げ、尖足のため、つま先から着地して歩行する。疼痛は無い。 | |
動揺性歩行(アヒル歩行) |
1)進行性筋ジストロフィー症(デュシェンヌ型) 2)両側性先天性股関節脱臼 |
後方に反り、腰を左右に振って歩く。ガワース徴候(登坂性起立)が陽性となる。 | |
随意性跛行 |
1)小児股関節結核 2)ペルテス病 |
疼痛が軽いため意識すると跛行しない。 | |
突進性歩行 |
パーキンソン病 |
一度歩き始めると、止まれなくなる異常歩行。 その他「小刻み歩行」「小歩」「すくみ足」もパーキンソン病の特徴。 |
上記の他、以下などがある。
- 痙直型脳性麻痺で生じる「はさみ脚歩行(内転筋の痙性による股関節の内転、左右交互性の不良による骨盤の回旋を特徴とする歩行)。
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