この記事では『フローメン徴候(Froment Sign)』について解説していく。
※「Froment sign」はフロメン徴候・フローメン徴候・フロマン徴候・フロメント徴候など、色んな発音で呼ばれることがある。
フローマン徴候の方法・陽性所見・解釈
方法
患者に母指腹と示指腹で薄い紙をつまむように命じ、検査者がその紙を引っ張る。
所見
正常:
母指内転筋(尺骨神経支配)を使って母指IP関節を曲げないでつまむことが可能である。
尺骨神経麻痺:
長母指屈筋(正中神経支配)を使って母指IPを大きく曲げ、指先の先端部しか紙面に密着しない。
尺骨神経麻痺で生じる「つまみ動作」
尺骨神経麻痺が生じると、母指内転筋や第一背側骨間筋(示指外転に関与)の筋萎縮がみられる。
従って、母指(の内転運動)と示指(の外転運動)で紙をはさめなくなる。
そして、フローメン徴候からも分かるように、「つまみ動作」を試みると代償的に正中神経支配筋を使用して母指指節間(IP)関節を屈曲して紙をはさもうとする。
逆をいうと、この「Oリングの形」は正中神経支配筋が正常でなければ作れない。
従って、正中神経麻痺を評価する際には、この形が作れるかどうかを評価として用いることが出来る。
※Oリングテストと呼ばれ、以下の記事で紹介している。
その他の検査
フローマン徴候以外の「尺骨神経麻痺検査」としては以下がある。
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