クロスフィンガーテスト【尺骨神経麻痺の検査】

整形外科 - 徒手検査法(整形外科)

この記事では『クロスフィンガーテスト(crosse finger test)』について解説していく。

 

クロスフィンガーテストの方法・陽性所見・解釈

 

クロスフィンガーテストの方法・陽性所見・解釈は以下になる。

 

方法

  1. (母指以外の)隣接した指を「MP関節・IP関節伸展位のまま」でクロスする。内外転の可動範囲が広い示指・中指がおススメ。
  2. 反対側へのクロスも試してみる。
  3. あるいは他の指でのクロスを試してみる(示指と中指のクロス⇒中指と環指のクロス)

 

所見

力が入りにくく、動作が稚拙になったり、動作が困難だったりした場合は陽性。

 

注意点

注意点は以下の通り。

  • 「筋出力の問題(尺骨神経麻痺)」ではなく「単なる関節可動域の問題」でもクロスできない場合もある。従って「クロスできない」という事象だけでなく、「指に力が入らない」という感覚が重要。
  • 環指・小指のクロスは正常者だっても「関節可動域の問題」によりクロスしにくい。従って他の指でクロスフィンガーテストをした方が良い。

 

解釈

(母指以外の)クロスフィンガーするためには掌側骨間筋・背側骨間筋による「手指の内転・外転作用」が必要となる。

そして、これらの支配神経が尺骨神経となるため、尺骨神経に障害があると動作が困難となる。

尺骨神経が支配している手内在筋は多いので、尺骨神経麻痺になると手の細かな動きが障害されやすくなる。

 

以下はクロスフィンガーテストの動画。

 

その他の検査

クロスフィンガーテスト以外の「尺骨神経麻痺検査」としては以下がある。

 

 

関連記事

 

以下は尺骨神経麻痺(肘部管症候群・ギョン管症候群)についても言及した記事となるので、合わせて観覧すると理解が深まると思う。

⇒『【疾患まとめ】胸郭出口症候群+上肢の絞扼神経障害

 

以下の記事では、徒手整形外科的テストの一覧をまとめているので、合わせて観覧してみてほしい。

⇒『【まとめ】徒手整形外科的テストを整理しよう

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