この記事では「徒手筋力テスト(MMT)」の概要について解説している。
徒手筋力テスト(MMT)とは
MMTとは「末梢性麻痺の評価」などで活用するテストで、「筋力の表示法を6段階で表示する」という特徴がある。
判定評価基準は以下の通り。
- 5:N(Nomal)100%正常⇒高度(最大)の抵抗に抗してテスト肢位を保持できる
- 4:G(Good) 75%良 ⇒中等度の抵抗に抗してテスト肢位を保持できる
- 3:F(Fair) 50%可 ⇒抵抗を加えなければ重力に抗して正常可動域いっぱいに動く
- 2:P(Poor) 25%可 ⇒重力を取り除いた状態で、関節運動が可能である
- 1:(Trace) 10%不可⇒MMT1では筋収縮はみられるが、関節運動は起こらない
- 0:(Zero) 0% ゼロ⇒MMT0では筋収縮が全く認められない(視診・触診で確認
ポイント
- MMT3は「重力に抗して全可動域を動かせること」が条件となる。
- 測定筋群に応じて患者の姿勢・肢位を適切に選ぶ必要がある。
- 筋緊張の状態を把握しながら関節の動きを評価するため「視診・触診」の能力を必要とする。
例外
MMT5・4における「等尺性収縮を加える肢位」は最終可動域である場合がほとんどだが、一部に例外がある。
具体的には以下など。
- 肩関節屈曲・肩甲骨面挙上・外転(90°可動させた状態で測定)
- 膝関節屈曲(45°屈曲位で測定)
また、足関節底屈のMMTは「片足立位でのつま先立ちが1回以上できればMMT3・10回以上出来ればMMT4・20回以上できればMMT5」と判定される。
国家試験問題
いかに、アマシ鍼灸の「MMT関連の国家試験問題」を記載しているので、解きながら知識を定着してほしい。
アマシ11回
筋力と運動療法との組合せで適切でないのはどれか
- 筋力0ー他動運動
- 筋力1-自動介助運動
- 筋力2-抵抗運動
- 筋力3ー自動運動
答え→3
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アマシ回
右大殿筋の徒手筋力テストの際、3以上の場合に検査時の体位で正しいのはどれか
- 背臥位
- 腹臥位
- 右側臥位
- 左側臥位
答え→2
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アマシ13回
徒手筋力テストにおいて、重力に逆らうことはできないが、重力がなければ動かせる筋肉のグレードはどれか
- MMT4
- MMT3
- MMT2
- MMT1
答え→3
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アマシ16回
徒手筋力テストでMMT3以上の場合に側臥位で測定するのはどれか
- 中殿筋
- 腸腰筋
- 大腿四頭筋
- 前脛骨筋
答え→1
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アマシ18回
肩関節運動に対する徒手筋力テストの際、MMT2を評価するときに側臥位で実施するのはどれか
- 伸展
- 外転
- 内旋
- 外旋
答え→1
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アマシ19回
運動の協調性をみる評価法はどれか
- 徒手筋力テスト
- 拮抗運動反復テスト
- バーセルインデックス
- ブルンストロームステージ
答え→2
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アマシ22回
徒手筋力テストで4以上の筋力を評価する際に座位で行うのはどれか(22回)
- 三角筋前部線維
- 腹直筋
- 中殿筋
- 下腿三頭筋
答え→1
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鍼灸14回
大腿四頭筋の徒手筋力テストの際、被検者を側臥位で評価しなければならない筋力はどれか
- MMT0
- MMT2
- MMT3
- MMT5
答え→2
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鍼灸17回
徒手筋力テストで筋の収縮はみられるが、関節運動は起こらないのはどれか
- MMT1
- MMT2
- MMT3
- MMT4
答え→1
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アマシ21回
痙縮の評価に用いるのはどれか
- 徒手筋力テスト
- アシュワーススケール
- 内田一クレペリンテスト
- バーセルインデックス
答え→2
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鍼灸27回
障害モデルとして用いられているのはどれか
- ADL
- ICF
- MMT
- QOL
答え→2
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鍼灸28回
徒手筋力テストで正しいのはどれか
- MMT1では筋収縮が全く認められない
- MMT2では筋収縮は認められるが関節運動は起こらない
- MMT3では抵抗を加えなければ重力に抗して正常可動域いっぱいに動く
- MMT4は筋力正常である
答え→3
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