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【顔面神経麻痺】末梢性 と 中枢性 の違いをイラストまとめ!

専門用語解説
【顔面神経麻痺】末梢性 と 中枢性 の違いをイラストまとめ!

この記事では、「末梢性顔面神経麻痺」と「中枢性顔面神経麻痺」について解説している。

これらの違いを整理しておくことは国試対策として必須なため、ぜひ活用してほしい。

 

目次

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表情筋の神経支配は、顔面の「上部 or 下部」 で違ってる!

 

顔面筋(表情筋)は上部と下部で以下の違いがある。

  • 顔面上部⇒両側の大脳皮質に支配されている(両側性支配)。
  • 顔面下部⇒一側の大脳皮質のみで支配されている(一側性支配)。

 

上記の特徴から、中枢性麻痺と末梢性麻痺では、同じ顔面神経でも違いが生じる。

 

中枢性顔面神経麻痺の特徴

 

顔面上部は、両側の大脳皮質に支配されている(両側性支配)。

従って、一側脳に障害が起きた場合でも、顔面上部は対側脳の代償により麻痺症状は生じない(あるいは軽度)ため、「ウィンクをする」「額に横シワを作る」などの運動は可能である。

 

顔面下部は、一側の大脳皮質のみで支配されている(一側性支配)。

従って、対側脳による代償は起こらず、「口角が下がる」「食べ物が口からこぼれる」などの麻痺現象が起こる。

 

以下のイラスト「左脳損傷により、右顔面神経麻痺が生じたイラスト」となる。

 

上記の例では以下となる。

  • 左顔面上部の麻痺は生じない(あるいは軽度)。
  • 右顔面上部の麻痺は生じる。

 

中枢性(核上性)の顔面神経麻痺は、大脳皮質から連動神経の起始核である顔面神経核に至るまでに原因があり、主に脳梗塞などの脳血管障害や脳腫瘍が原因で発症する。

顔面上部の前額や眼の周囲の表情筋は左右の大脳皮質によって支配される両側性のため、片側の損傷があっても対側のバックアップで麻痺の程度は軽く、額のしわ寄せも可能である。

 

末梢神経が障害されると、顔面の上部+下部ともに麻痺する!

 

中枢神経損傷により顔面神経障害が起こった場合、「顔面上部と顔面下部で麻痺の程度が異なる」のは前述したとおり。

 

一方で、末梢神経損傷により顔面神経障害が起こった場合「顔面上部・顔面下部ともに等しく麻痺が生じる」という点で、症状が異なってくる。

 

以下は中枢性顔面神経麻痺と末梢性顔面神経麻痺をイラストで対比させたイラストである。

 

末梢性顔面神経麻痺はベル麻痺ラムゼイハント症候群などで起こる。急性に一側の顔面筋の麻痺を生じ、前頭部のしわ寄せや閉眼、口笛吹きが不可能で、眼裂が異常に広く開いて閉眼できない兎眼を呈するようになる。

 

 

中枢性 or 末梢性の鑑別

 

中枢性顔面神経麻痺と末梢性顔面神経麻痺の鑑別は「顔面上部にも麻痺が生じているかどうか」で可能となる。

 

具体的には「ウィンクが出来るか」「額にシワが作れるか」などの運動を行わせる。

 

※ちなみに、成人になってもウィンクが苦手な人がいるので、「額のしわ寄せ」のほうが推奨される。

 

 

補足

 

上顔面の神経

上顔面の神経は「側頭枝・頬骨枝」とし分岐する。

これらの枝は、前頭筋(前頭後頭筋の一部)と眼輪筋、皺眉筋および頬骨筋を支配する。

つまり、上顔面神経が麻痺すると「ウィンクをする」や「額に横シワを作る」などの運動が困難となる。

 

下顔面の神経

下顔面の神経は「頬筋枝・下顎縁枝・頸枝」として分岐する。

これらの枝は頬筋・頬唇筋・広頸筋を支配しており、口周りの筋肉が麻痺して口角が下がったり、十分閉口できずに食べ物をこぼしたりしてしまう。

 

 

国家試験過去問

 

この記事の内容が理解できれば、以下などの過去問に対応できるようになっているはず。

 

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