~病理学の導入~ 恒常性

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この記事では、病理学の導入として(1年の復習も含めて)「身体の恒常性」をザックリと要約していく。

 

身体の「正常」が理解できていなければ、その応用である「異常」も理解できない。

 

そして、正常を理解するうえでも基礎的なのが「恒常性」なので、しっかり復習しておいてほしい。

 

恒常性の要点まとめ

 

体重60kgの健康成人の血液量は約6ℓ(体重の1/10)で、血漿のpHは7.4である。

 

酸塩基平衡の維持は、生体の代謝能を確実なものにするために必須であり、pHを維持するための代表的な緩衝系には重炭酸(HCO3-・重炭酸イオン)がある。酸塩基平衡を制御する器官は肺と腎臓である。

 

細胞外液の浸透圧を形成する最も多い陽イオンはナトリウムイオンで、細胞内に最も多い陽イオンはカリウムイオンである。

体液中の水素イオンが増加するとpHが低下し、その状態をアシドーシスと呼ぶ。

 

 

生体に傷害が加わると、生体は応答して発熱する。

 

体温を調節するための中枢は視床下部にあり、セットポイントを上昇させることで体温を上昇させる。

 

体温が上昇している際に発汗はせず、立毛筋は収縮する(寒さを防ぐため、体温が上昇している場面をイメージ)。

 

 

血清タンパクのうち、最も多いのがアルブミンであり、肝臓で合成される。

 

肝臓では、赤血球が保有する色素の分解産物であるビリルビンを使って胆汁色素を合成する。体内にビリルビンが蓄積した状態を黄疸と呼ぶ。

 

※ちなみにα・βグロブリンも肝臓で合成されるが、γグロブリン(免疫グロブリン)は肝臓で生成されない(B細胞・形質細胞から生成される)。

 

 

エネルギー産生の仕組みをザックリと把握しよう

 

以下はエネルギー残性の仕組みを要約したイラストなので、必ず理解しておこう。

上記イラストを補足する内容は以下になる。

 

補足①・補足②・補足③で重複したキーワードが記載されているが、重要なキーワードなため是非色々な角度からイメージし、覚えておいてほしい。

 

解糖とは

上記イラストへ記載がないキーワードとして解糖について解説しておく。

解糖とは以下の2つの定義が存在する(生理学第3版P9より)。

  • グルコースからピルビン酸までの過程を解糖とする場合。
  • グルコースから乳酸までの過程を解糖とする場合。

※いずれにしても、酸素無しで起こる生理現象である。

※無酸素運動ばかりしていたら、O2使わないので解糖⇒乳酸産生となる。

 

補足①

 

ヒトはエネルギー源として主にブドウ糖を使用するが、血液中の濃度は70~100mg/dl

である。

 

ブドウ糖は体内で水と二酸化炭素にまで代謝され、その過程でエネルギーをATPの形にする。ATPは酸素が存在すると、細胞内小器官のミトコンドリアにおいて極めて効率よく合成される。

 

酸素を運搬する細胞は赤血球である。貧血では赤血球が減少しており、脈拍が増える

血圧の制御機構の一つとして腎臓があり、腎臓への血流が低下するとレニンが分泌され、血圧を上昇させる。

 

出血した際には、血小板と血液凝固因子の働きで止血を行う。止血に必要な陽イオンはカルシウムイオンである。

 

カルシウムイオンは筋肉の収縮にも必要な陽イオンであり、吸収にはビタミンDの働きが必要である。

 

 

補足②

 

ヒトの体内において、無酸素下ではブドウ糖から乳酸を生じながら、エネルギー産生を継続する。

血液循環が悪くなり、低酸素状態になるとエネルギー産生のために乳酸脱水酵素(LDH)の作用で乳酸が蓄積し、その結果アシドーシスが生じる。

通常では乳酸は、ミトコンドリアを持たない「赤血球」により継続的に産生されている。そして血中の乳酸は主に肝臓においてLDHの作用でピルビン酸へと変換されグルコースの材料となっている。

 

 

補足③

 

中性脂肪グリセロール脂肪酸へと分解促進するために興奮する神経は、交感神経である。

TCA回路電子伝達系がある細胞内小器官はミトコンドリアである。

糖尿病ケトン体が蓄積するとアシドーシスになる。

ミトコンドリアで行っている機能は「酸化的リン酸化によるATP合成」や「脂肪酸のβ酸化」である。

 

※一方で、「グリコーゲンや脂肪酸の合成」や「ピルビン酸から乳酸の合成」はミトコンドリアでは行われていないので整理しておくこと。

乳酸脱水酵素(LDH)ピルビン酸と乳酸の間の反応を行う。LDHを多く含む臓器としては骨格筋・心筋・肝臓が挙げられる。

 

葉緑体は光合成により自身でブドウ糖合成が可能であるが、ブドウ糖生成には水と二酸化炭素が必要である。

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