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代謝障害・骨端症 | 整形外科

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この記事では、代謝障害・骨端症について記載していく。

 

目次

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痛風

 

痛風とは以下を指す。

素因に基づく尿酸の生成・排泄の異常により、高尿酸血症を起こし、主に抹消の関節に疼痛発作を繰り返す疾患。

 

高尿酸の原因は過形成(尿酸が多く生成される)or 排泄障害(排泄されず体内に留まってしまう)により生じる。

 

各過程は以下の通り。

 

尿酸が出来るまで

尿酸は以下の順で生成される。

 

尿酸が排泄されるまで

尿酸は以下の順で排泄される。

100%尿酸⇒腎臓へ⇒尿細管で90%再吸収⇒10%が尿中へ排泄される。

 

好発年齢:

中年以降(30~60代・40代がピーク)

男性:女性=9:1(圧倒的に男性に多い)

 

好発部位:

No1は母趾MP関節

その他、足関節・膝関節など(下肢に多い)。

 

症状:

発作は夜間発症が多い(夜間N成分の多い食べ物をたくさん摂取して朝発症というケース)

初回発作は12~14時間でピーク・1週間で消失

間欠期(無症状期)がある

発作繰り返すうちに持続時間が長くなる。

慢性期(初回発作時から放置すると10年)

  • 皮膚⇒痛風結節(結晶を肉芽が取り囲む)・耳介など
  • 疼痛人・尿路血症

 

検査:

単純X線

・初回 :所見なし

・慢性化:結晶成分

採血:

高尿酸血症

・CRP↑

・白血球数↑

 

治療:

発作時は「NSAIDs」(排泄促進剤は禁忌)

↓1-2週間後

発作消退後の間欠期では「尿酸生成抑制剤(アロプリノール)や尿酸排泄促進剤(プロベネシド)」

 

※痛風発作にしか効かない薬剤:コルヒチン(発作前兆期に効く)。

 

 

発作を誘発する因子:

  • 高尿酸血症:飲酒・脂っこい食事・激しい運動(「太っているから」と急なダイエットをすると、乳酸生成過剰となり、同時に尿酸生成も起こってしまう)。
  • ストレス刺激(外傷・手術・不眠など)

 

偽痛風

 

偽痛風とは以下を指す。

主に膝の半月板や軟骨・靭帯などに、ピロリン酸カルシウムの結晶が沈着して発症する疾患。

 

偽痛風の特徴は以下の通り。

  • 原因は不明(したがって予防できない。先生の経験則では「病棟に入院している患者に多い」とのこと。
  • 高齢者に多い
  • 膝関節に発症しやすい
  • 突然の激痛で発症。発赤・熱感・腫脹あり(1~2Wで消退・繰り返すと変形性関節)

 

診断

単純X線⇒半月板の石灰沈着

採血  ⇒尿酸値正常・CRP↑(尿酸値が正常なので痛風と鑑別可能)

 

治療

治療「対処療法」のみ。

ただし、前述したように1~2週間で消退する可能性が高い」という予後を予測したうえで、無理に起立・歩行などで疼痛を誘発させず、適切な時期まで待つことも重要(それまでは無痛で可能な筋力増強練習にとどめるなど)。

 

 

骨端症

 

骨端症は以下の条件を満たすものを言う。

  • 成長期に長管骨骨端や短骨に発症し、慢性に経過する骨壊死疾患の総称。
  • 原因不明

 

骨端症として昔から取り上げられている疾患としては以下が挙げられる。

 

Scheuermann病

椎体の上下骨端の骨壊死疾患 4-10 男子に多い
Calve扁平椎 好酸球肉芽種による(=腫瘍) 4-10 性差無し
Panner病 上腕骨小頭 4-10 男子に多い
Kienbock病 手の月状骨 20-40 男子に多い
Perthes病 大腿骨骨頭(核) 4-8 男子に多い
Blount病 脛骨近位内側骨端の発育障害

幼児型:2才前後

学童型:6-12才

性差無し

Osgood-

Schlatter病

脛骨粗面の疼痛や隆起(膝蓋腱の腱付着部炎) 10-15才

男子に多い

(スポーツ人口の差)

第1Kohler病 足舟状骨 4-8才 男子に多い

第2Kohler病

(=Freiberg病)

第2中足骨骨頭 10-18才 女子に多い

踵骨骨端病

(=Sever病)

踵骨骨端核(踵骨後方) 10-15才 男子に多い

 

ただし、前述した「骨端症の定義」から外れる疾患も存在する(上記一覧表の例外部は青色で記載)。

 

ここから先は、Perthes病・Osgood-Schlatter病にフォーカスして記載していく。

 

Perthes病

 

ペルテス病とは「大腿骨頭骨頭核の骨頭壊死疾患」を指す。

特徴は以下の通り。

  • 4-8才の男子に多い。
  • 原因不明に外側骨端動脈が閉塞することで壊死が生じる
  • 多くは片側性、5-8%で両側性
  • 疼痛は軽く跛行で発見されることが多い
  • 進行すると⇒運動痛増強・安静時痛あり⇒疼痛性屈曲拘縮・開排制限

 

診断:単純X線による病気分類

 

第1期

(初期・滑膜炎症期)

発症~1か月位まで

ほぼ正常。

※MRIなら発見可能

第2期

(壊死期・硬化期)

~1年まで

骨頭核の一部に壊死象⇒

骨頭陥凹⇒骨頭核の扁平化

第3期

(再生期・

分節期・

血行再開期)

さらに1-2年経過すると

生体であるから再生・修復反応が始まる。

骨頭核の分裂象⇒線維組織が壊死組織に向かって侵入し骨頭核は残存する。壊死層の濃厚陰影と線維の透明層の混在を示し、X線上分裂象と言われる。

第4期

(骨修復期)

新生骨置換には2-3年かかる ーーーーーーー

第5期

(変形遺残期)

  扁平巨大骨頭

 

予後

壊死部が小さいほど予後が良い

(=発症年齢が低いほど予後良好)。

 

治療

ペルテス病の装具としては「外転位免荷装具」が有名。

※股関節を外転位にすると骨頭は中に入り、求心性となる。

 

Osgood-Schlatter病

 

オスグッドシュラッター病の特徴は以下の通り。

  • 10-15才(思春期)の男子に多い
  • 脛骨粗面の疼痛⇒運動で増強・圧痛⇒軟骨隆起⇒骨化
中学生の男子に多い。小学生よりスポーツ量増大が発症に起因している可能性あり。高校生になったら更に運動量増大する可能性あるが、骨端線が閉じるので痛くなくなる。

 

誘因

反復的な機械的刺激がスポーツで加わる。

 

治療

疼痛が消失するまでスポーツ中止

リハビリとしては大腿四頭筋のストレッチ

 

按摩マサージ関連の禁忌事項としては「疼痛部位(腱付着部で炎症が所持ている部分)をグリグリとマッサージすること」である。
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