この記事では、足部の疾患について記載している。
アキレス腱滑液包炎・アキレス腱周囲炎
この記事ではアキレス腱滑液包炎・アキレス腱周囲炎について記載していく。
アキレス腱滑液包炎とは
アキレス腱滑液包炎とは以下を指す。
「アキレス腱と踵隆起の後上部との間」や「アキレス腱と皮膚の間などアキレス腱遠位部」に存在する滑液包が、圧迫刺激を受けることにより炎症を起こし、歩行や運動に際して疼痛と腫瘤を生じたもの。
女性に多く、両側発生を認める傾向がある。
アキレス腱周囲炎
アキレス腱周囲炎は以下を指す。
※アキレス腱周囲炎は、加齢に伴う腱の変性も関与している。
症状は、アキレス腱部の疼痛・腫脹・圧痛である。
治療
アキレス腱滑液包炎・アキレス腱周囲炎の治療は以下となる。
- 局所の安静
- 踵が高くなるような装具の装用
※アキレス腱滑液包炎の場合、滑液包と踵後部上方の隆起を切除することもある。
※アキレス腱周囲炎の場合、消炎目的で副腎皮質ステロイドを局所注入することもある。
外反母趾
外反母趾は「母趾のMP関節が外反を呈した状態」を指す。
重度になるとMP関節の亜脱臼が生じる。
また、MP関節付近にバニオン(滑液包炎)が形成されることがある。
※以下イラスト参照。
原因
外反母趾の原因としては以下などが挙げられる。
- (足に合わない)靴・ハイヒール
- 老化(⇒偏平足⇒外反母趾へと進行)
- 関節リウマチ
治療
治療としては以下などが挙げられる。
- 免荷パット(MP関節外反位を整復位に矯正する作用あり)
- 手術
ちなみに、外反母趾の免荷パットはネット通販でも購入でき、例えば楽天市場では以下などが人気のようだ
先天性内反足
先天性内反足とは「生下時に発現される新生児の内反足」を指す。
内反足とは、具体的に以下の状態を指す。
- 後足部の内反
- 前足部の内転
- 中足部の凹足
先天性内反足の特徴は以下になる。
- 原因は不明
- 男に多い
- 半数が両側性に発症
治療
先天性内反足は自然治癒が期待できないため、発見次第すぐに治療開始することが重要。
治療の流れは以下の通り。
- 0~3カ月はギプス固定(実際は、抵抗力が大きいわけではないので包帯固定にする場合が多い)
- 3か月~1歳はデニスブラウン装具
- 1歳~は矯正靴(夜間だけ装具着用)
先天性内反足の一部は、①~③の期間にアキレス腱延長術が施行される。