膝関節の疾患 | 整形外科

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この記事では、膝関節疾患について解説している。

 

目次

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膝関節の概要

 

 

膝蓋軟骨軟化症

 

膝蓋軟骨軟化症の特徴は以下の通り。

  • 膝蓋大腿関節における(膝蓋骨側の)関節軟骨が軟化する
  • 膝蓋軟骨軟化症は、青少年・スポーツ選手に好発
  • 原因は不明

問診としてのスクリーニングでは「中高生でスポーツをしている子が、膝の奥に痛みを訴えてきた場合」は膝蓋軟骨軟化症の可能性も視野に入れる

 

離断性骨軟化症

 

離断性骨軟化症の特徴は以下の通り。

 

機序

  1. 軟骨下骨の一部(関節軟骨も含む)の壊死
  2. 関節面より剥離(関節ねずみ)
  3. 関節遊離体の形成

原因

直達外力が原因ではない(原因は不明)と言われてはいるが・・・

繰り返される小外傷(スポーツ)⇒血管の血栓性塞栓⇒壊死」との仮説あり。

 

年齢

15~20才の男性に多い。

 

好発部位

離断性骨軟化症は「膝関節」「肘関節」に多発する。

  • 膝関節では大腿骨内顆部に多い。
  • 肘関節では上腕骨外顆部に多い。
野球肘は内側に症状出現するが、外側痛を訴えるなら離断性骨軟化症な可能性も考慮する。

診断

単純X線・MRI(←初期から診断可能)

 

治療

保存的治療

若年者で関節軟骨の連続性が保たれている場合は、運動制限の上、ギプス固定や装具による免荷を行い、遊離骨片の再癒着に期待する。

観血的治療

例えば関節鏡下で「穿孔術」・「骨軟骨片固定術」・「摘出術と骨軟骨移植術」などが行われる。

 

滑膜ひだ障害(棚障害)

 

滑膜ひだ障害とは、膝関節内の滑膜壁の形態異常を指す。

滑膜膝障害は、棚障害(たな障害)とも呼ばれ、膝・肘に好発する。

 

具体的には、「滑膜ひだ」が肥大することで以下が生じる。

膝関節の屈曲時に滑膜ひだ大腿骨と膝蓋骨の間に挟まり、屈曲位(挟まった状態)から伸展時に(伸展最終域で)挟まりが外れる際に弾発音が生じる。

不思議がってる人に教えてあげよう

膝屈曲位から完全伸展位にする際、膝蓋骨上端付近にコツっとする弾発音が生じる人は結構いる。これは半月板インピンジメントとてゃ全く異なる感触。なぜコツっとなるのか不思議がる人も多いので、不思議がっている人がたら教えてあげよう。

 

神経病性関節症(シャルコー関節)

 

シャルコー関節の特徴は「痛覚が失われて、その結果、使い過ぎて関節破壊が生じること」である。

これにより「(痛覚が失われているので)無痛性の関節腫脹」が生じる。

 

シャルコー関節の原因疾患としては以下が挙げられる。

  • 糖尿病
  • 脊髄空洞症
  • 脊髄癆(梅毒で生じる。ただしペニシリンが開発されてからは、ここまで至ることは無くなった)
  • 先天性無痛無汗症

 

治療

治療としては以下などが挙げられる。

  • 原疾患に準じた治療
  • 装具による関節保護
  • 「病巣である滑膜切除」や「関節固定術」

 

膝窩嚢腫(ベイカー嚢胞)

 

ベイカー嚢胞とは「膝窩部に生じる滑液包炎のこと」を指す。

 

中高年の女性にい多い。

 

「(滑液包炎ではあるが)熱感・疼痛が無く、腫瘤だけ」というのが特徴で、腫瘤は半腱様筋と腓腹筋内側頭の間に形成される。

 

ガングリオンとの鑑別が大切。

 

治療

治療としては以下が挙げられる。

  • 滑液の穿刺・排液し、(消炎目的で)ステロイド注入
  • 上記で消失しない or 栗加瀬素場合は滑液包切除も検討

 

変形性膝関節症

 

変形性膝関節症は以下の記事を参照。

⇒『関節とは + 変形性関節症

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